人材紹介と人材派遣の違いとは?それぞれのメリット
人材紹介と人材派遣の違いを知っていますか?よく似ていて混同しがちですが、それぞれの仕組みや提供するサービスはまったく異なります。サービス内容や雇用契約、料金などの違いを比較し、双方のメリットを解説します。
人材紹介とは
人材紹介会社とは、厚生労働大臣から職業を紹介する権限を与えられた会社です。人材紹介会社がクライアント企業に候補者を紹介し、候補者の採用が決まると、クライアント企業と候補者が雇用契約を結びます。
人材紹介会社と人材派遣会社の主な違いは、雇用契約があるかないかということです。人材紹介会社はサービスの形態によって、主に「一般紹介・登録型」と「サーチ型」の2つに分けられます。
■一般紹介・登録型
一般紹介・登録型とは、人材紹介会社が保有する登録者のデータベースから、企業の採用ニーズに合った人材を紹介するサービスです。幅広い業種や職業を対象とした「総合」と、特定の業種や職業に特化した「専門」の2種類があります。
ほとんどの人材紹介会社がこのようなサービスを提供しているため、人材紹介サービスというと、一般紹介・登録型を指すことが多いです。
■サーチ型(エグゼクティブサーチ・ヘッドハンティング)
サーチ型とは、人材紹介会社の登録者データベースを検索するだけでなく、幅広い情報から特定の求人に対する候補者を探し出すサービスです。場合によっては、他社のデータベースやソーシャルメディアを利用して、適切な人員を探すこともあります。これは、ヘッドハンティングやスカウティングと呼ばれることもあります。
人材派遣とは
人材派遣会社とは、厚生労働省から「労働者派遣事業」を許可された会社のことです。具体的には、特定のスキルを持った人を採用し、その人材を欲しがる企業に提供する会社です。
正社員・アルバイトとの大きな違いは、契約を結ぶ会社と実際に働く会社が違うことです。人材派遣の形態は「労働者派遣」と「紹介予定派遣」にわかれます。
■労働者派遣
労働者派遣とは、派遣会社が自社の派遣社員を企業に派遣し、派遣社員が一定期間、顧客企業の指示の下で業務を行うサービスのことです。
■紹介予定派遣
紹介予定派遣は、労働者を派遣社員として一定期間派遣し、派遣期間終了後に企業と派遣された労働者の双方が直接雇用に移行することを合意した上で、派遣するサービスのことです。職業紹介のための労働者派遣事業に加えて、職業紹介事業の許認可が必要です。
人材紹介と人材派遣の違い
人材紹介と人材派遣は「企業と労働者の仲介役」という意味では似ていますが、事業内容はまったく異なります。
人材派遣会社は、被雇用者を雇用する会社です。被雇用者が実際に働く企業は、人材派遣会社と契約を結んでいる企業です。そのため、給与や福利厚生、仕事のやり方や労働条件などについて、人材派遣会社がクライアント企業との交渉を行います。
人材紹介と人材派遣のメリット
人材紹介と人材派遣のそれぞれのメリットを挙げていきます。
■人材紹介のメリット
人材紹介のメリットは、客観的な視点でアドバイスしてもらえる点にあります。人材紹介会社は、人を雇いたい企業と求職者を結びつけるものですから、求職者の視点だけでなく、企業の考え方を理解するという視点からも面談を行います。
自分では気づかなかった点を指摘してくれる会社もあります。これは、初めて転職する人や、社会人経験が短い人にとって、とても心強いものです。
また、求職者のニーズに合った業種・企業を紹介してくれることもメリットです。転職サイトで検索すると、無数の求人情報が表示されますが、人材紹介会社は求職者のニーズに合った会社を紹介してくれるので、時間を節約できます。
■人材派遣のメリット
人材派遣会社は、突発的な仕事や一定期間だけ必要な仕事に対応できるというメリットがあります。有期契約は、仕事量の変化に対応できます。
また、固定費であるはずの人件費を変動費化できるというメリットもあります。近年では、リスクを軽減するために、直接採用ではなく、長期の定型業務に派遣社員を活用する企業も出てきています。
現在、とくに中小企業では人材確保が困難な人手不足の時代です。企業の中には、正社員を採用できないため、期間限定で派遣社員を利用しているところもあります。派遣は、即日から2週間程度の派遣で、できるだけ早く仕事を開始したい企業にとっては便利です。
今回は、人材紹介と人材派遣の違いと、それぞれのメリットについてお伝えしました。雇用契約の形態などがまったく異なるサービスなので、それぞれのメリットを理解し、ニーズに合わせて使い分ければ、効果的に活用できます。
人材紹介は長期で働きたい方向け、人材派遣は主に短期で働きたい方向けのサービスになります。今回の内容を参照いただき、ご自身の求職の際にぜひ活用してください。