派遣社員にも有給休暇がある!取得条件と取得するときのマナーを解説
「派遣社員は有給休暇が取れない」というイメージを持ってはいませんか?実は、派遣社員でも正社員と同じように有給休暇を取ることができます。こちらの記事では、派遣社員が有給休暇を取る条件と、取るときのマナーを解説します。しっかりチェックしてください。
派遣社員が有給休暇を取得する条件
そもそも有給休暇とはどういうものなのでしょうか?有給休暇の概要と、取るときの条件を見ていきましょう。
■そもそも有給休暇とは?
有給休暇とは、正式には「年次有給休暇」といい、休んでも賃金が発生する休暇のことを指します。日本では、労働基準法によって従業員が心身の疲労を回復させ、ワークライフバランスを保てるよう、毎年一定の日数を有給休暇として付与するように定められています。
また、2019年4月に労働基準法が改正され、従業員に有給休暇として年5日の有給休暇を付与することが義務となりました。対象は「従業員」のため、派遣社員も正社員も含まれます。
■有給休暇を取る条件
有給休暇は、従業員であれば誰でも取ることは可能ですが、取るための条件があります。有給休暇は、企業に6か月以上、8割以上勤務していると取ることができるようです。
たとえば、4月1日に就業を開始し、10月1日までに8割以上出勤できていれば、有給休暇が発生するという仕組みです。派遣社員としてフルタイムで勤務していると、半年間8割以上勤務していれば、10日の有給休暇が付与されます。
その後、1年経過するごとに有給休暇が1日増えていきます。就業から半年たっていない間に、急病や忌引きなどでやむを得ず休まなければならない場合は欠勤扱いとなり、賃金は発生しません。これは派遣社員や正社員問わず同じです。
派遣社員の有給休暇分の給与は派遣会社が支払う
有給休暇は、直接雇用契約を結んでいる企業から付与されるものです。派遣社員が直接雇用契約を結んでいるのは派遣元のため、有給休暇は派遣元から付与されます。
そして、その派遣社員の有給休暇分の給与は、派遣元が支払うことになるのです。また、このときの有給休暇分の給与は、派遣社員の時給×契約勤務時間で計算されて支払われます。
派遣社員が有給休暇を取得するときのマナー
正社員が有給休暇を取るときは、就業先である企業に申請を出すことで取ることができます。派遣社員が有給休暇を取るときは、どこに申請を出すのでしょうか?
派遣社員が有給休暇の取るときは、派遣元と就業先の両方に申請を出します。有給休暇は、正社員や派遣社員などの雇用形態を問わず、従業員が同じように取ることができる、労働基準法で定められた制度です。
しかし、やはり派遣社員だとどうしても有給休暇を取ることに罪悪感を覚えてしまう方がいます。派遣社員でも、堂々と有給休暇が取ることができるよう、派遣社員が有給休暇を取るときのマナーをおさえておきましょう。
■事前に就業先のルールを確認しておく
有給休暇は、休みたい日にちを事前に申請する必要があり、当日いきなりは休めません。そして、いつまでに申請をする必要があるか、企業によってルールが異なります。就業先に就業し、慣れてきたら同僚や先輩に聞いてみるとよいでしょう。
■就業先から先に申請する
派遣社員は、派遣元と就業先の両方に有給休暇の申請を出さなければなりませんが、順番としては就業先から先に申請するのがよいでしょう。実際に業務にあたっているのは就業先のため、有給休暇希望の日に休んでも業務全体に支障はないかどうか、確認する必要があるからです。就業先に有給休暇を取る承認を得てから、派遣元に申請をします。
■有給休暇の理由
有給休暇を取るとき、その理由を話さなければならないという義務は決してありません。しかし就業先によって、理由を言わなければ休みづらい雰囲気ということもあるでしょう。
有給休暇を取る際の理由としてもっとも一般的なのは「私用のため」です。とくに事情がなければ、私用のための有給休暇を取るということで通るでしょう。また、有給休暇の理由として多いのは、冠婚葬祭、通院、免許の更新、資格試験などが挙げられます。
派遣先が変わっても有給休暇は引き継がれる
派遣社員として働いていると、派遣される就業先が変わることもありますよね。その際、有給休暇がまたリセットされてしまうと不安になる方も多いでしょう。
しかし、派遣される就業先が変わったとしても、派遣元が同じであれば、今まで付与されてきた有給休暇は引き継がれます。それは、派遣社員に対して有給休暇を付与しているのが、就業先ではなく派遣元だからです。
派遣社員が有給休暇を取るときの条件やマナーを解説しました。有給休暇を取る条件は、正社員と変わりありません。従業員であれば、誰もが平等に付与されるものです。そして、派遣社員が有給休暇を取るときのマナーを理解しておけば、いざ有給休暇を取りたいというとき、スムーズに気持ちよく申請できます。派遣社員として働く方は、有給休暇を取るときのマナーやルールを事前に確認しておきましょう。